創業当時から現在に引き継がれる想い
今、振り返れば、あっという間だったなと思います。フジ・ホームを支えてくださったお客様、スタッフに感謝の気持ちでいっぱいです。
私の父は、建築板金業を営んでおりました。私自身も、その会社で職人として修行を積んでまいりました。父の仕事を見ながら、職人としての様々な技術を身に着け、いつかは、家業を継いで行こうと考えておりました。
しかし、ある日、不慮の事故が私の身に降りかかりました。指を切断してしまったのです。仕事を任され始めていたということもあり、人生に対して卑屈になったりもしました。
そんな私を救ってくれたのは、当時、取引のあった積水化学工業さまからの「元請けになってみませんか?」という言葉でした。私はとても魅力を感じました。
それと同時に、ひとつの決意をしました。
下請けの時代はもう振り返らない。
中途半端な仕事はしない。
もう職人には戻らない。
その決意を胸に、夜、山科川にかかる橋から、職人の道具を投げ捨てました。道具を全て捨てるということは、決意が揺らぎそうになったとしても後戻りすることは出来ないと自分に言い聞かせる意味もあったのだと思います。
当時の元請けリフォーム業というのは、多くの会社が避けて通りたい事業でした。悪質な工事や強引な営業が平然と行われ、お客様本位ではない契約が結ばれるなど、クレーム産業と呼ばれるような状態でした。
ましてや、私は職人一筋。営業という仕事はしたことが無いし、正直な処、ネクタイの結び方すら知りませんでした。リフォームの元請けが出来る出来ない以前の問題だと思っていました。
しかし、同時にワクワクしたことも覚えています。
未知の世界
誰もが避けたがる業界へのチャレンジ精神。
クレーム発生が当たりまえのリフォーム業から、お客様の家を守りたい!お客様のお役に立ちたい!という強い想いが掻き立てられたのを思い出します。
そして、ひょっとしたらこの想いを失わず、「お客様のため」の仕事を続けていけば、クレーム産業のイメージを払拭できるのではないか?業界の先駆者になれるのではないか?
人の真似をして成功してもタカがしれている。
やるならとことんこだわって、一番になるほかない。
昭和61年。フジ・ホームの前身である「エクセレントショップ藤原」を開業しました。営業未経験、職人一筋の私が、今もリフォーム業を営んでいられるのは、この時の想いが変わることなく、今のフジ・ホームに引き継がれているからだと思っています。
誰にも話したことがないのですが、特別に。
これは、フジ・ホームを設立する当時に着ていたジャンパーです。今でも大切に保管しています。
自分が苦しい時や、すこし行き詰った時に、当時の強い想いをよみがえらせるために、時々、外に出し、自分を奮い立たせています。これを大切に保管していることは、私の誇りですね。
仕事における独自性、アイデンティティを大切にしてまいりました。このこだわりは「フジ・ホームスピリッツ」として、今のフジ・ホームに根付いています。
創業当時、リフォーム業の営業方法と言えば「点検ハガキのポストイン」。そこからご返信があったお客様にご対応させていただくという方法が主流でした。
私は、ここに疑問を抱いていました。
「地域のお客様は、本当はどんなことに悩んでいるんだろう?リフォーム会社は待っているだけなのか?クレームが多いのは、この営業方法のせいではないだろうか?お客様の顔が見えない状態では、いつまでたってもリフォーム業界は変わらない!」
お客様と面と向かって、本当のご要望をお聞きしたい。そう思った私は、当時、タブーとされていた、お客様宅へのご訪問し、ご挨拶するという方法を行うことに決めました。
もちろん、お叱りを受けたり失敗はありましたが、この行動をしたことで、お客様に「よく来てくれた!」とお役に立てたこともたくさんありました。
「どこに頼んだらええんやろ?」
と思っていらっしゃるが、なかなか行動できないお客様に対して積極的にコミュニケーションをとっていく。直接お話しすることで、フジ・ホームに安心してリフォームをご依頼頂く。
そんなお客様が増えていることを実感し、フジ・ホームは本当の意味でお客様のお困りごとを解決できる会社なんだと確信を持つことが出来ました。
お客様の真のニーズをお聞きし、こだわりのある製品でリフォームを行う。このリフォームを行い続ける事がフジ・ホームの生き様であると考えています。その中から、フジ・ホームの会社理念「お客様第一主義」という考え方が生まれました。
お客様の満足に対して努力を惜しまないこと。
与えられた仕事に真剣に取り組むという積極的な心と感謝の気持ち。
業界一の志を持つ集団を目指してきました。
お客様の満足なくして、フジ・ホームの発展なし。
創業からこだわり続けてきた「お客様第一主義」。これこそが、フジ・ホームスピリッツの根幹を成すものであると考えています。
「フジ・ホームさんにリフォームしてもらってよかったわ」
お客様に頂いた一番うれしい言葉です。OBのお客様からは、今も可愛がって頂いております。フジ・ホームで働くスタッフが「フジ・ホームスピリッツ」を胸に、お客様のご要望をカタチにし、コツコツと小さな信用を積み上げてくれていることで、今のフジ・ホームが成り立っています。
フジ・ホームスピリッツが実を結ぶ。
創業当時、小さな店舗からスタートしたフジ・ホームが、お客様からご支持頂くことで、本社新社屋を建てることができるまで成長しました。
本社ビルは、私の夢の具現化でした。誰も想像すらしていなかった事が、今、カタチとして具現化できている。これは全て、支えてくださったお客様と、フジ・ホームスピリッツに共感してくれたスタッフのおかげだと思っております。本当にありがとうございます。
その場所は新社屋から歩いて30メートルのところにあります。フジ・ホームの前身、エクセレントショップ藤原のあった場所です。
この場所が、フジ・ホームスピリッツの出発点です。そのすぐ近くに新社屋を構えることが出来たのは運命だと思っています。
私には夢があります。それは、「次世代の育成と事業承継」。フジ・ホームのお客様のために、これからもフジ・ホームスピリッツは絶やすことなく引き継いでいってほしいと思っています。
創業者の想い。
フジ・ホームスピリッツをないがしろにしているようでは、企業の存続経営には至らない。もっと大きな事ができるだろう。もっとお客様に恩返しできることはないだろうか。そんなことを常に考えてほしい。
お客様のために、これからも30年、50年と存続経営が出来るフジ・ホームスピリッツを持った次世代の経営者を育てていくことが私のこれからの夢です。
私の大好きな言葉です。全ての事象は変化する。変化こそ本質。変化に対応できる人間が、生き残っていくことが出来るのではないか。そのために、私たちフジ・ホームの社員は、情熱と誇りを持って、コツコツと継続を持ってリフォームを行なっていく。
それが、今まで、フジ・ホームを支えてくださったお客様に対して出来る唯一の恩返しだと思っています。